対応-何とかしないと・・・

泣き叫ぶ

こんにちは。NORIです。

カスタマーサービスをやっていて、”新しいサービスを作って売上げに貢献した”とか”業務プロセスを見直し、システム化して大幅に効率化できた”とか、いろいろな経験しましたが記憶に残るのは、やはりお客様の声です。

お客様の声には『わかりやすい説明だったのですぐに問題が解決できた』とか『サポートのお陰でこんなことができるようになった』とか手紙や電話での感謝の言葉だったり、『社長を出せ!!』『誠意を見せろ!!』などの苦情などがありました。良くも悪くも頭に残ります。

また感謝、苦情の分類は難しいのですが記憶に残っているお客様の声もありました。

今回はその分類が難しかったお客様の声を紹介したいと思います。既に今はない会社・製品の話です。

本社代表へ『・・・製品の責任者と話がしたい』という電話がかかってきました。

本社代表というと会社の顔として海外やいろいろな企業から電話がかかってきます。すぐに製品のCS責任部署へ電話が転送されてきました。そこから私へバトンが渡されました。

電話が転送され、話をしてすぐに今までの苦情や問い合わせとは「違う」ことを直感しました。相手は女性で泣きながら訴えてきます。

どんな話をしたいのか、どのような問題が発生して、何に困っているのかをじっくり聞くようにしました。

要約すると『やっと手に入れた就職試験の面接のチャンスをおたくの製品のトラブルのせいで、お断りせざる得なくなった。何とかしてほしい』という話でした。就職難の中、既に数十社を受けたが失敗。今回、応募した会社は筆記試験、一次面接と順調に進み、次回の面接のために弊社の製品を使って自己アピールするためのプレゼン資料を作成したが面接直前になって製品が動かなくなってしまったそうです。気が動転し、絶望の淵に立たされていると泣きながら訴えられ、『もう死んでしまいたい』という言葉まで発していました。『何とかしてほしい・・・』という藁にもすがる思いの相談です。

話を聞いてみるといろいろなソフトをインストールしたり、設定を変更したりされているので、ハードの問題ではなくソフトの問題のようでした。通常であれば詳しい担当者が一つ一つ状況を確認しながら、問題を解決していくのですが電話口での泣き叫びながらの対話、混乱している状況、ひしひしと伝わってくる絶望感、とてもサポートできる状態ではありませんでした。誤った選択・判断をすると大変な事態につながりかねないと感じました。

すぐにトップマネージメントへ相談して、他に技術的に詳しいメンバーを率いて即、新幹線でお客様宅に向かいました。”決して一人では対応しない!!”というのが鉄則です。

新幹線、その他電車を乗り継ぎ、4時間弱くらいの場所です。新幹線の中では他のメンバーへ対応の方向性を説明し、シュミレーションを行いました。

無事にお客様のところへ到着しました。すると手首を見て何ヵ所か切り傷があることが確認できました。私はその時、「来てよかった。私の判断は間違えていなかった。」と心の中で一人ごとをつぶやきました。

ハードの問題でもなく、使い方の問題で自社製品から起因するトラブル出ないので、通常のカスタマーサービスでは、『なんでここまでやらなければならないんだ』と思われるでしょう。

職務の狭い視野でのルールにとらわれず、人として、どのようにこの問題にどう向き合って対処するかが重要です。製品を購入して頂いて、お困りごとを相談頂いたのも何かの縁です。その時はこの人を何とか助けないといけないという気持ちでいっぱいでした。

顔を合わせたときは目が赤く、話す感じも心配な為か、オドオドしているようでした。対面ということもあって電話とは少し違った印象でした。

まずはお客様へお部屋に行かせて頂き、問題となっている製品を確認させて頂きました。自分の部屋、慣れた生活空間で話されているせいか、お客様は次第に落ち着きを取り戻した様子で、私たちに分かるようにトラブルになるまでの経緯をお話してくれました。お陰様で話を聞いているうちに解決の方法も見えてきました。

その後、1時間ほどで正常な状態に修復することができ、作成していた資料も直近の日付の状態まで戻すすることができました。

面談バックアップの手順を説明し、念のため、持参したもう一台の製品にも資料を保存してお客様方へおいてきました。高額の製品になるため、差し上げるのではなく、次のステップ(面談)で同じようなトラブルに見舞われても対処できるようにバックアップ用の製品として、お貸出ししました。お客様からは就職活動が終わったら、『必ず、返却します』という言葉を頂きました。

その後、無事に面接を受けられたようで、感謝の言葉も頂きました。もちろん、お貸出した製品も返却されました。